慢性甲状腺炎(橋本病)

橋本病はどんな病気?

橋本病は、甲状腺に慢性炎症が起きている病態ですが、細菌やウイルス等による感染による炎症とは異なります。
「自己免疫」といって、自身の免疫防御機構が、自身の甲状腺に対して作用することにより起こる炎症です。こういう疾患を自己免疫疾患といいます。
自己免疫疾患は膠原病をはじめとして多数存在します。
橋本病は、何が原因で自己免疫性炎症が起こるのか、いまだはっきりしていません。
T細胞というリンパ球が甲状腺組織を攻撃・破壊して起こるといわれています。
甲状腺の病気は、どれも女性の方がかかりやすいのですが、橋本病は甲状腺の病気のなかでもとくに女性に多く、男女比は約1対20〜30近くにもなります。

橋本病の症状

甲状腺腫は全体にはれていて硬く、表面はこぶ状あるいは小顆粒(かりゅう)状に触れます。
大きさはさまざまですが、よほど大きくないかぎり、物が飲み込みにくくなったり、呼吸困難になることはありません。
甲状腺の機能も大半は正常なので、橋本病というだけではとくに自覚症状もなく、治療の必要もありません。しかし、加齢とともに甲状腺機能低下症の頻度が増して、最終的には軽度のものも含めると10~30%は機能低下症になります。

橋本病の検査と診断

橋本病の検査は、甲状腺ホルモンを測定する甲状腺機能の検査、甲状腺自己抗体の検査、甲状腺の大きさや形態をみる超音波検査が主です。
甲状腺機能としては通常、血清遊離サイロキシン(freeT4)、血清遊離トリヨードサイロニン(freeT3)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)を測定します。
甲状腺機能低下症になると、freeT3・freeT4が低下し、TSHが上昇します。
橋本病の診断には、甲状腺自己抗体検査が重要な診断マーカーです。
抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(抗TPO抗体)と抗サイログロブリン抗体(抗Tg抗体)を通常調べます。

橋本病の治療方法

甲状腺が腫れていても、甲状腺ホルモンの値が正常の場合は、甲状腺の形、大きさや、合併している病気がないかエコーでチェックし、甲状腺ホルモンを測定して経過をみます。
甲状腺ホルモンが低下している場合は、補充療法を行います。
補充療法は血液検査で甲状腺刺激ホルモンが正常になるように薬の量を決めていきます。
根気よく、薬を飲みましょう。
橋本病では、甲状腺ホルモン濃度が一時的に変化したり、次第に低下したりすることがあるため、正常機能の場合でも定期的な検査を受ける必要があります。
どの程度の間隔で検査すべきかは患者様によって違います。
甲状腺がはっきり大きくなったことに気づいたり、体の症状で気になることがある場合は、指示された時期を待たずに受診しましょう。